採用担当者には、面接官トレーニングが必要?!

会社に、「面接官」という職種はありますか?もちろん、ありませんよね。聞いたこともありません。

このように、ほとんどの会社の「面接官」は普段は一般社員。早い会社では入社して数年の将来有望な若手社員から、面接官としてデビューします。

この面接官、みなさんの会社ではどのように「トレーニング」していますか?

実際、トレーニングを受けている面接官はどれくらいいるの?

面接官もステップによって様々な社員・役員が担当します。だれでも「初めての面接官」を経験する時がありますが、この時、「面接官をお願いすることになりました。

つきましては、面接官としての研修を受けて頂きます」と手順を踏んでもらえる会社はまだまだ少数。ほとんどの企業では、全くのフリーハンドで面接官としてデビューすることになります。

「求める人材像の提示」「面接評価シートの設定」があればまだいいほうで、場合によっては「君も入社試験のときやってもらったでしょ。あんな感じでやってくれればいいから!」とマル投げされてしまうことも・・・。人事部ではきちんとしたトレーニングが必要だと考えていても、通常業務を優先したい各事業部からは「できるだけ負担を減らして欲しい」と要望されているから、時間を必要とする面接官トレーニングは導入しづらい、というご相談も多くあります。

WEB応募の今だからこそ必要な面接官トレーニング

2018年現在、多くの企業で2次~3次面接の意思決定者である40代以上の管理職は、ご自身の就職活動時代は「資料請求はがき」を書き、大手企業を受ける際はリクルーターの声がかかるのを待つ、という就職活動スタイルだった方です。

受けられる会社の数はせいぜい10社。先輩伝で会社の説明を聞き、仕事内容について理解したあと、就職面接に望むことが多かった時代です。

現在の就職活動のスタイルについて、全く予備知識の無いまま、面接官実務を担当すると、どうしても基準が「ご自身の就職活動のときを思い出す」ことになります。ある程度企業理解がある状態で受験していたご自身の就職活動に比べ、「今の学生は企業研究がおろそかになっている。志望動機も仕事内容にマッチしていないし、優秀な学生に来てもらえていないのではないだろうか」という疑問を持ってしまいがちです。

また、昔と違い、面接の場面で学生の評価が下がるような対応をしてしまうと、あっという間に情報が拡散されてしまうのが現在の就職活動事情。例えば、通常業務がおして、面接開始時間が15分遅くなってしまったのにも関わらず一言もお詫びがない、面接官が手元の書類ばかりに目線があり、ほとんど目も合わなかった、など、特に「圧迫面接」のようなわかりやすいマイナスでなくても、「企業イメージを損なうもの」として広まってしまいます。

面接のほとんどは立会いもなく、面接官と学生の密室です。定期的に、「この面接官はどのような面接を行っているのか」チェックをしないと、思わぬ言動で自社イメージを傷つけてしまう場合があります。

なぜこの学生が合格か、理由を開示できますか?

1次面接を担当する若手社員も含めて気をつけなくてはならないのは、「自分の好き嫌い・なんとなく話が合いそう」という個人的な好みで合否を決めてしまう可能性です。

社員数が数人の会社で、「お互い仲良くやっていけないと仕事に支障がでるから」という理由であれば、面接官の好き嫌いを加味することも必要ですが、大きな組織になれば、このような理由で合否を決めるのは非常に不合理です。

「ウチは求める人材像もちゃんと定めて、面接官の好みが基準にならないように面接評価シートも作成しているから大丈夫」という採用担当者様、それでは「求める人材像に合うかどうか、具体的な判断基準をお持ちですか?」と面接官に聞いた時に、明快な答えが返ってくることを期待できますか?この確認方法がぶれていれば、当然面接官ごとに評価が変わってしまうことになります。

どの面接官が担当しても、同じ学生を見たときに同じ評価ができるようにしなければなりません。

まずは1次面接担当者から始めましょう

「重要なのは、最終面接担当者ではないのですか?」とのお声も多くいただきます。もちろん、最終的な合否を決められる役員クラスの方にも必要な知識です。

しかし、上記でご説明したとおり、「学生の第一印象で左右しがち」「短い面接時間だからこそ、的確に判断する必要がある」「不合格の学生にもいい印象を持ってもらう」「1次面接から2次に進む段階で、志望動機の醸成をはかる」など、様々な役割とミッションがあるのが1次面接です。

特に、若手社員が担当する企業様も多いだけに、早いうちから「面接官の役割をとおして会社理解を深める」「よい人材を考えることをとおして自分の仕事を振り返る」といった、若手社員に対する研修にもつながります。

「新入社員のレベルが毎年違う」「なんでこんな社員を採用したんだ、と後で事業部からクレームが来る」「年々、応募してくる学生のレベルが下がっている気がする」という採用担当者様、採用募集広告の見直しだけでなく、ひょっとしたら「面接」にその問題があるかもしれない、と考えてみてはいかがでしょうか。

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