「選考通過の連絡で電話をしたら、辞退を申し出られてしまった」
「面接会場から出てくる学生の顔が入室前よりも暗いことがある」
「社名+面接で検索して、面接に対する評価の低いコメントを見つけてしまった」
…これらのポイントに、思い当たる点があるなら要注意です。
説明会までは第一志望にしてくれていたはずの学生に、面接途中で辞退されていませんか?そんなときは「面接官のマナー」を確認してください!
面接官は、面接のプロフェッショナルではない
毎年多くの学生と模擬面接をくりかえす私たちCAキャリア。もともと接客のプロフェッショナルでもあり、さらに「人を育てる」ことのプロフェッショナルでもあるCAキャリアの講師陣は、ある意味「面接のプロ」でもあります。
しかし、多くの企業様で面接を担当されるのは、現場の社員の方を中心に構成することがほとんどです。
しかも、「面接官候補者を選抜する」というステップを経て決定されるわけではなく、各部署に日程と人数をお願いして面接官の頭数を揃えるのが精一杯という企業様も多いのではないでしょうか。
- 「面接で聞いてはいけない質問リストを事前に配布しているけれど、読んでくれているかどうか…」
- 「経営陣にはなかなか面接に関する注意点を伝えにくい」
こんな状態でも、学生から見れば同じ面接官です。
毎年学生にアドバイスすることのひとつに、「面接官は面接のプロフェッショナルではない」ということがあります。
- 「面接官なのだから、きちんと話を聞いてくれるはず」
- 「面接官は、たくさんの学生に会っているから、学生のことをよく知っているはず」
こんな思い込みをして、「面接官への期待値をあげてはいけませんよ」というアドバイスをしているのが現実です。
それぐらい、面接官に対する不満や不安が志望度に大きく影響しています。
面接官は、最低限何をすべきなのか
短時間で、ひとの資質や能力を見定め、正しくジャッジすることはどんなトレーニングを受けていても簡単にできることではありません。
しかし、「企業が応募者を選ぶのと同時に、応募者も企業を見定める場を成立させる」という点については、トレーニングによって比較的簡単に身に着けることができます。
- 応募者に、最大限のアピールができたと納得してもらう
- 公正に、きちんと評価されたと納得してもらう
この2点を応募者が実感できれば、面接官として非常によい面接を実施できたと言っていいでしょう。
落ちても、納得がいく面接・受かっても納得がいかない面接
目指すところは、「落ちても納得がいく面接」です。回避すべきは、「受かっても納得がいかない面接」です。
それぞれどんな特徴があるか確認していきましょう。
落ちても納得がいく面接
▼事例
- 面接官が、「学生の話を集中して聞こう」という姿勢を見せてくれた。こちらが部活の話でウッカリ専門用語を使ってしまったときも、興味をもって「それはどういう役職ですか?」と解説する機会をいただいたり、急な質問でさっと答えられない時は、「ゆっくり考えてくださいね。初めての質問では当たり前ですから」とリラックスさせてくれた。真摯な対応だった。
- 学生の立場を優先して進行されていた。こちらの話が長くなってしまい、気がついたら終了予定時刻になっていたが、「もし、このあとご予定が入っていなければ、質疑応答の時間も設けますが、どうしますか?もし、このままお帰りになっても、質疑応答の時間は選考には一切影響しないので、気にしていただかなくても大丈夫ですよ」と言ってくださった。
共通して言えるのは、学生が率直に、話しやすい環境を整えようとする意志が学生側に伝わっているという点です。きちんと自分のことをつたえられたという満足感を得ることができたかが大切です。
受かっても納得がいかない面接
▼事例
- 「面接官が5分遅刻してきたのに、一言もなく着席。学生に質問をするときも、目は書類をみたまま、『右のひとから自己紹介と自己PRを』と言って一人ずつ答えさせたがずっと書類になにか書き込んでいるだけで、こちらを見ていなかった。あれで、だれが発言したのかわかったのだろうか。」
- 「質問に脈絡がない。趣味と、自分を動物に例えたらと、好きな本を聞かれた。それが仕事にどう関係するのかわからないし、好きな本は聞いてはいけない質問として大学で教わった気がする。」
相手が学生だから、という理由で遅刻や予定変更を当たり前のようにする会社は、きっと社員の仕事時間の管理もきちんとしないに違いない、と学生は考えます。
また、学生は「自分のことをしっかり理解してくれたうえで、必要と思ってくれたのだ」と思いたいのです。そのひとが伝えたい「能力」をきちんと確認することも、面接官に求められている大切なポイントです。
面接官トレーニングを検討されているなら、CAキャリアにお任せください
面接官トレーニングを受けることで、面接スキルを一定レベルまで引き上げることができます。
面接途中での辞退が珍しくない、とういう状況を改善させ、内定後の歩留まりに直接影響する面接官育成は、採用活動本番前にスタートさせる必要があります。
また、面接のマナーは社内やお客様とのコミュニケーションに必要なマナーとも共通している点が少なくありません。中堅社員の方への向上研修の一環として、「面接官トレーニング」を取り入れてみてははいかがでしょうか?