電話応対が苦手な新人に身につけてもらいたい!電話のかけ方・受け方別ビジネスマナー

ビジネスシーンでの電話応対が苦手、と感じる人は少なくありません。特に携帯電話の普及によって固定電話に出る機会のなかった人は、社会人になると電話応対で困惑してしまうこともありますよね。ここでは、電話のかけ方・受け方それぞれのビジネスマナーを解説していますので、ぜひ苦手を克服してスマートな電話応対ができるように役立てて下さい。

電話をかけるときのマナー

ビジネスシーンでは当然自分から電話をかける機会も多いです。次に電話をかけるときに押さえておくべきビジネスマナーを4つ解説します。

電話をする時間帯

ビジネスシーンでは、必ず相手先の就業時間内に電話をしましょう。さらに、就業時間内でも以下の3つの時間帯の電話は、緊急の電話でない限りは避けるようにしましょう。

  • 休日の翌日の午前中
  • お昼休み
  • 就業時間間際

始業開始時間から1時間ほどは、どの企業でも忙しい場合が多いです。特に週明け月曜日は会議があったり、週末からの仕事の処理を行ったりするためさらに忙しさが増します。

また、お昼休みは就業時間内とはいえ、休み時間です。オフィスでも昼食を取ったり、外に出払っていたりする人も多いため避けましょう。

最後の就業時間間際は、すでに業務を終了する準備をしている場合が多いです。パソコンの電源を切っているかもしれません。さらに電話をかけたことで、相手の就業時間を過ぎても拘束してしまうことにもなります。

会社名・名前を名乗る

相手が電話に出たら、いきなり用件を話し始めるのはビジネスマナー違反です。まず、挨拶と自分の名前を名乗りましょう。社外の人にかけたなら「いつもお世話になっております、〇〇株式会社の××です」、社内の人にかけたなら「お疲れ様です、××です」のように、自分が誰であるかを相手に明かした上で、用件を伝えます。

担当に繋いでもらったら再度名乗る

電話に出た相手が自分のかけた相手はない場合、取り次ぎをお願いします。「恐れ入りますが、○○様はいらっしゃいますか?」「○○課長はお手すきでしょうか?」などのように、まず相手がいるかどうかを確認します。

担当につないでもらったら、用件をいきなり話さず再度挨拶と自分の名前を名乗りましょう。

電話を切るときはそっと置く

受話器は静かに置きましょう。大きな音を立てて受話器を置くのは、相手に対してとても失礼です。まずフックを静かに指で押してから電話を切り、その後受話器を置くと静かに電話を切れます。

電話を受けるときのマナー

電話を受ける人は、その会社の印象を決めます。電話をかけてきた相手に良い印象を与えられる、電話を受けるときのビジネスマナーを4つご紹介します。

電話の出方

電話に出るときには、企業で決められた方法で名乗ります。必ず明るくはきはきした声を意識し、笑顔で電話に出るようにしましょう。

取り次ぎ方

電話を取り次ぐときには「○○ですね、少々お待ちください」と、取り次ぐ担当者の名前を確認してから保留または転送して、担当者に取り次ぎます。保留や転送をしないと、こちらの声が相手にずっと聞こえている状態のため、失礼にあたります。必ず取り次ぐときは保留ボタンを押すようにしましょう。

保留ボタンは、同じフロアに担当者がいる場合に使用するボタンです。電話の相手が一時保留の状態になります。担当者に取り次ぐときには「外線〇番に××様からお電話です」と声を掛けましょう。

転送は、違うフロアに担当者がいる場合に取り次ぐ方法です。保留にした後に内線を押して、電話に出た相手に「〇〇さんあてに××様からお電話です」と取り次ぎます。

担当が不在の場合は

担当者が不在の場合は、不在の理由によってその後の対応が異なります。よって、必ず相手には不在である理由を一緒に添えて、相手の意向を聞きましょう。

担当者の不在理由の伝え方

  • 社内にいるが離席しているとき「申し訳ございません、○○はただいま席を外しております」
  • 会議や接客中など、社内にいるが長時間かかりそうなとき「申し訳ございません、○○は現在会議中です」+予定が分かる時には「〇時には終了予定です」と一緒に伝えます。
  • 営業周りなどで外出しているとき「申し訳ございません、○○はただいま外出しております」+「〇時には戻る予定です」「本日はもう戻らない予定です」と、戻る予定時間も一緒に伝えます。
  • 欠勤や休暇のときは「申し訳ございません、○○は本日休みをいただいております」+「明日は出社の予定です」と、次の出社予定も伝えます。なお、欠勤の理由は伝えなくて良いです。
  • 長期休暇や出張など、不在期間が長い時には「申し訳ございません、○○は×日まで出張しております」と、出社予定をあらかじめ一緒に伝えます。
  • ほかの電話に出ている場合は「申し訳ございません、○○はただいまほかの電話に出ております」と伝えます。
  • 不在を伝えた後は、「いかがいたしましょうか?」「戻りましたら、こちらからご連絡差し上げましょうか?」など、相手の意向を聞きます。

不在時の相手の対応は3パターン

  • 相手がかけなおすと言った場合は「承知いたしました、お電話があったことを伝えておきます」と伝えて、電話を切ります。担当者には電話があったことを伝えるか、メモを残しておきます。
  • 相手からかけなおしを希望された場合は、「承知いたしました、××が戻りましたら折り返しさせていただきます。○○様のお電話番号をお伺いしてもよろしいでしょうか。差し支えなければお話の内容をお伺いしてもよろしいでしょうか」と相手の連絡先と都合の良い時間帯、用件を聞いておきます。
  • もしも相手が迷っている場合や、何かを言いたそうな場合は「私でよろしければ、ご伝言を承りますが」と聞いて、伝言を受けましょう。メモの用意を忘れずに。

電話の切り方

要件を話し終わったら電話を切ります。基本的には相手が電話を置くのを待ってから切るようにしましょう。相手がなかなか切らない場合には「失礼いたします」と言ってこちらから切っても構いません。このときも受話器を静かに置くように心がけましょう。

伝言メモを残すときのポイント

伝言メモを残すときには、以下の6つの項目を書くようにしましょう。

  • 電話を受けた日時 (いつ)
  • 相手の名前や会社名 (誰が)
  • 電話の用件 (何で)
  • 相手の対応 (どうする…折り返しが来る、こちらから折り返す、伝言を受けた場合は伝言の内容)
  • (折り返しが必要な場合は)相手の連絡先
  • 自分の名前

伝言メモの紛失を防ぐために、できるだけ担当者にメモは手渡ししましょう。長時間不在の場合はポストイットを使うなど、メモが紛失しないように工夫しておきます。なお伝言メモを挟むスペースや、メモさしがあればそちらを使用しても良いです。

まとめ:よりよい電話対応をするためのポイント

電話応対におけるビジネスマナーをご紹介しました。より良い電話のマナーを身に着けるには、電話応対の機会を増やす事です。かかってきた電話は積極的にとるようにしましょう。一本の電話の対応が、会社全体の印象やイメージを左右します。姿は見えなくとも、電話を通して雰囲気は伝わってしまうからです。感情や態度が、声や話し方、口調に表れるので、姿勢を正し、対面して話す以上に丁寧な応対を心がけましょう。

今は電話応対に関する本やマナー講座も多く開催されていますので、上手に活用すればビジネスシーンで適切な電話応対ができるようになりますよ。

これだけは新入社員に教育しておきたい!電話におけるビジネスマナーの基本

2018.12.13

記事の監修者

マナー・コミュニケーション講師:陣内 ちはる

マナーをはじめ、スマイルトレーニング、アンガーマネジメント、マインドフルネスの研修講師を務める。女性向けの自分磨きスクールも主催するなど、個人のウェルビーイング、組織のコミュニケーションビルディングを目指し、多方面で活躍中。

・アンガーマネジメントコンサルタント™️
・マナー・コミュニーション講師
・マナー・プロトコール検定(文部科学省後援)準一級

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