秘書検定はスキルアップに生かせる?秘書検定を取得するメリットと他マナー資格との違い

「一般常識やビジネスマナーを身につけてスキルアップしたい」「仕事の進め方がわからなくて悩むことが多い…」と思っているなら、秘書検定を取得してみませんか?

秘書検定は秘書業務以外にも社会で働くうえで必要な知識やマナーが身につくので、スムーズに仕事ができるようになりますよ!秘書検定のメリットや概要、他の資格との違いについてご紹介いたします。

秘書検定とは

秘書検定とは、公益財団法人の実務技能検定協会が主催している「ビジネス系検定」の1つです。年齢や性別による制限はなく、だれでも受験できます。

秘書検定ではお茶の出し方、上司・来客者への言葉遣いだけではなく、会議の種類に応じた机のセット方法や資料に合ったグラフの作り方まで、社会で働くうえで悩みやすいビジネスマナーや常識を学べます。3級~1級まで主に以下の5つの領域から出題され、級が上がるごとにより高いレベルを問われます。

<理論>

  • 必要とされる資質
  • 職務知識
  • 一般知識

<実技>

  • マナー・接遇
  • 技能

上記5つは、「理論」と「実技」の2つの領域に分けられます。そして、理論と実技でそれぞれ60%以上正解すれば合格と判定されます。

秘書検定は就職対策で受験する学生の方が多いですが、スキルアップを目指した秘書の方をはじめ会社員の方も受験しています。

秘書検定3級・2級・1級の違い

秘書検定には3級・2級・準1級・1級の4段階があり、概要は以下の通りです。

秘書検定3級

上司が効率的に仕事を行えるような配慮の仕方や、「感じの良い対応」の基本部分を問われます。難易度は低く、高校生が多く受験しています。

秘書検定2級

上司をサポートするにあたって優先順位のつけ方や、感じのよさと効率を兼ね備えた仕事の方法などが問われます。就職対策として大学生が受けることもありますが、スキルアップを目指す社会人も多く受験しています。

秘書検定準1級

上司からの相談対応や後輩へのアドバイス、判断力や対応力など実践的なレベルが問われます。準1級から面接(二次試験)があり、秘書としてふさわしい「明るく感じのいい人柄」を見られますので、就職や転職の際の面接対策にも活用できます。社会人も多く受験しており、大学生とほぼ同数程度と言われています。

秘書検定1級

秘書検定1級にも面接(二次試験)があります。筆記試験では、上司の仕事への理解・上司の動きを先読みしたサポートなど、知識・技能ともに秘書としてもっとも高度なレベルを求められます。

 

秘書検定3級レベルは社会人として「知っていて当然」という内容を問われることが多いので、スキルアップを目指す社会人なら2級~準1級を目指すことをおすすめします。

秘書検定を取得するメリット

秘書検定を取得すると、以下のようなメリットがあります。

マナー美人で好感度アップ!

秘書検定は「人柄育成」を目的としており、慶弔時のマナーや正しい敬語の使い方、トラブルやクレームに柔軟に対応する知識や技能が身に付きます。これらはプライベートで活用できることが多く、「良識があり感じがいい人」を目指せます。

言葉遣いや振る舞い・話し方などを磨くことで、男女問わずあなたの印象をぐっとアップさせられるでしょう。

資格手当がつけば収入アップ!

秘書検定の資格証明書を提出すれば、会社によっては資格手当がつくことがあります。一般的には500円~数千円と言われており、受験費用を負担してくれる会社もあるようです。

上級になるほど金額も高くなることがほとんどで、私は秘書検定1級を取得しているだけで毎月7000円の資格手当が支給されていました。

つまり秘書検定を勉強したことで、スキルアップだけではなく年間で8万4000円も収入がアップしたのです。会社に勤めている限り支給されることを考えると、さらにお得感が増しますね。

スキルアップして自信がつく

仕事をしていると、「複数の上司に違う指示を受けた」「クレームの電話を受けてしまった」「とっさに気の利いた一言が出ない」など、思いがけないトラブルに頭を悩ませることも多いのではないでしょうか。

秘書検定ではトラブルを含めた、「正しい仕事の進め方」を具体的に勉強できます。その結果想定外のことが起こっても、「先に上司に相談しよう」「先に対応して、事後報告しよう」など状況に応じた判断ができるようになり、オフィスで自信をもって仕事を進められるようになりますよ。

秘書検定取得者は「勉強してよかった」と思っている人が多数

秘書検定は上級になるほど、一般的には使われない正しい言葉遣いや対応能力を学ぶことができます。30代や40代になって「知らなかった!」と後悔するよりは、若い間に正しい知識を身につけておいたほうが賢明といえます。

ちなみに日経ウーマンオンラインでは、「使える資格ベスト5」ランキングにおいてなんと2位にランクインしています。「秘書検定は就職したら役に立たない」と言われることもありますが、ランキングを見ても「勉強して損はない資格」と言えるでしょう。

(参照:日経ウーマンオンライン)

秘書検定を持っていると生かせる職業

秘書検定は、主に以下の職種で活かせます。

  • 秘書
  • 事務職(内勤で働くすべての人)

秘書検定は、秘書の方はもちろん社内で来客対応やファイリングなどの事務作業を多く行う事務職の方にも活かせる資格です。

職場の人間関係を構築するマナーも学べますので、内勤で多くの人と一緒に仕事をする方にも役立ちます。派遣社員として働くときや転職の時も、ビジネスマナーなどの良識を持った人材としてアピールの1つになるでしょう。

他のビジネスマナー検定や資格との違い


ビジネス系検定には、秘書検定以外にも以下の資格があります。それぞれの資格で目的も違います。

検定 目的
秘書検定 社会常識を学び、「感じのいい人柄」を身につける
ビジネス文書検定 お礼状や案内文など、ビジネス文書を使いこなす
ビジネス実務マナー検定 ビジネスマンとして職場で必要な常識を身につける
サービス接遇検定 サービス業務において必要な心構えや振る舞いを身につける
ビジネス電話検定 ビジネスにおける感じのいい電話のかけ方を身につける

秘書検定が大切にしているのは「人柄育成」であり、社会で働く人にとって必要なことを勉強します。ちなみに秘書検定では、文書作成やマナー、接遇や電話対応についても出題されます。

秘書検定 試験の概要・合格率

秘書検定の受験者数・合格率は以下の通りです。(平成29年11月実施分)

秘書検定 受験者数 合格率
1級 1,092人 31.4%
準1級 5,783人 37.2%
2級 29,843人 54.0%
3級 13,639人 66.3%

(参照:実務技能検定協会HPより http://jitsumu-kentei.jp/HS/totalize/contents)

級ごとの試験の概要は以下の通りです。

秘書検定 受験料 出題形式 二次試験(面接)
1級 6,500円 記述のみ あり
準1級 5,300円 マークシート+記述
2級 4,100円 なし
3級 2,800円

(参照:実務技能検定協会HPより http://jitsumu-kentei.jp/HS/guidelines/contents)

秘書検定の筆記試験については、3級と2級はマークシートが9割程度で記述式は1割程度です。準1級ではマークシートは6割程度に減り、4割が記述式です。1級ではマークシートによる回答はなく、すべて記述式となります。

秘書検定1級と準1位級の二次面接は、筆記試験に合格した人だけが受験できます。

秘書検定の勉強法

秘書検定の筆記試験については本を買って独学で勉強するだけでも合格を目指せますし、通信教育で勉強するのもいいでしょう。実問題集を繰り返し解いて、理解を深めるという王道の勉強方法がおすすめです。

準1級以上の面接対策はお辞儀の仕方のチェックなどもあるため1人では難しく、面接のみの対策講座を受講するのがおすすめです。参考DVDもありますので、ぜひ活用してください。

秘書検定準1級以上は、何人かのグループで受験して、面接官役と受験者役のロールプレイングによる面接対策をするのもおすすめです。

秘書検定を学ぶ上での参考書籍

筆記試験対策は、実務技能検定協会公式のテキストが参考になります。私も受験前に公式テキストを読み込みましたが、公式テキストの内容からほぼ出題されていました。

パーフェクトマスターで勉強した後は、実問題集を解いていきます。こちらの問題集がおすすめです。

前述したように、筆記試験を突破するには、大学受験と同じように「いかに多くの過去問題を解いたか」がカギになります。最近ではスマホで秘書検定の実問題集を解けるアプリもありますので、通勤途中にぜひ活用してみてください。

まとめ:ビジネスマナーを身につけてスキルアップしたい方へ

秘書検定は社会で働くために必要なビジネスマナーを勉強することができます。「若いのにしっかりとした常識がある」と認められれば、周りの人からの信頼度も一気にアップしますよ!

秘書検定を通してスキルアップすることで、よりいっそう社会で活躍できる人を目指してくださいね。この記事が参考になれば幸いです。

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