仕事で接客をしていると、「接客マナーでよく注意を受けてしまう」「正しい接客がわからない」と不安になることはありませんか?日本は「礼儀の正しさ」にシビアなので、企業としても「感じのいい接客ができる人」は重宝されます。
接客力のスキルアップなら、「サービス接遇検定」がおすすめですよ!取得するメリットや、ほかの資格との違いをご紹介します。
接遇マナーの検定・資格とは
接遇やマナーに関する資格は民間資格なので、複数の団体が検定を作っています。主な検定として、以下のものが挙げられます。
- サービス接遇検定:サービス業務や接遇の心構え、おもてなしの心や行動を学ぶ
- 接客サービスマナー検定:ワンランク上の上質な接客サービスを学ぶ
- マナー・プロトコール検定:国際儀礼(プロトコール)に関する知識や技能を学ぶ
- ビジネス実務マナー検定:ビジネスマンとしての適切な行動や判断、マナーを学ぶ
- 秘書検定:感じがよい人柄を育成し、秘書をはじめ社会人として必要な知識を学ぶ
つまり、接客レベルを高めてスキルアップしたい人には、接遇が学べる「サービス接遇検定」がおすすめです。
接遇マナーの検定・資格を取得するメリット
接遇やマナーの資格を取ると、以下のようなメリットがあります。
メリットその①接遇レベルが見える化できる
日本には「おもてなし」の文化があり、特に礼儀正しさに厳しい傾向があります。アンケート調査によると、お店の口コミに接客内容の悪さが書かれていたら、「そのお店に行きたくないと思った」という人は85.3%にものぼります。
(参照:クロス・マーケティング)
つまり、接客の良し悪しはお店の売り上げにも大きな影響を及ぼしますので、採用する企業側は「きちんと接客や接遇ができる人か」という点もしっかりチェックします。
その時に、接遇マナーを証明するための資格があれば履歴書だけでもアピール力が上がりますし、採用する会社も1つの判断材料としてみてくれるでしょう。
メリットその②仕事にプラス
サービス接遇検定を取得すれば、企業によっては資格手当がつくこともあります。(社内規定による)また、接遇を身につければクレームを未然に防ぐこともできるので、企業にとっても取得した本人にとっても大きなメリットになるでしょう。
サービス接遇検定は国際的なマナーまでは学べませんが、文部科学省が後援している資格で認知度もあるので、ホテルや百貨店といった接客業であれば転職の際にもアピールの1つになります。
メリットその③自信になる
「言葉遣いでよく注意される」「トラブルが起こったときに慌ててミスを重ねてしまう」「実は人見知りで接客に慣れない」という悩みがあると、接客中でもどことなく自信がなくなってしまうものです。
サービス接遇検定を通して正しい接客やマナーを身につければ、不測の事態に備えることもできます。毎日の仕事に自信をもつことができますよ!
サービス接遇検定とは
サービス接遇検定とは、以下のような検定です。
サービス接遇検定の特徴
サービス接遇検定とは、文科省が後援している「ビジネス系検定」の1つです。言葉遣いや態度、振る舞いはもちろんのこと、サービスに関する考え方や対人心理など接客の深い部分まで勉強できます。平成29年11月度の試験では、3級~1級まで合わせて2万3千人以上が受験している認知度の高い検定です。
サービス接遇検定の試験内容
サービス接遇検定の試験内容は、3級・2級は筆記試験のみ、準1級は面接のみ、1級は筆記試験+面接となっています。筆記試験には記述問題やマークシートがあり、級ごとに異なります。(詳しくは後述します)
出題形式や内容
サービス接遇検定の級ごとの出題形式は以下の通りです。
秘書検定 | 受験料 | 出題形式 | 二次試験(面接) |
1級 | 6,500円 | 記述問題 | あり |
準1級 | 4,700円 | 筆記試験なし | 面接のみ |
2級 | 3,900円 | マークシート+
記述問題 |
なし |
3級 | 2,700円 |
(参照:実務技能検定協会HPより http://jitsumu-kentei.jp/SV/guidelines/contents)
筆記試験
試験は以下の領域から出題されます。
- <理論>サービススタッフの資質・専門知識・一般知識
- <実技>対人技能・実務技能
理論・実技のそれぞれで60%以上合格する必要があります。内容としては、「サービスで心がけるべきこと」や「忘れ物を見つけた時の対応」、「一般常識」などがあります。
そのほか、「商品が在庫切れだった時の適切な対応」といった不測の事態に関する問題もありますし、1級になると「万引きを防止するためのお店作り」を記述で回答するなど、当然ながら級が上がるごとに難易度も高くなります。
面接
サービス接遇検定準1級と1級には面接があります。準1級と1級で内容は異なりますが、両方ともロールプレイング形式で、審査基準は「サービス接遇者に必要な,ふさわしい話し方・態度・物腰が感じられるかどうか」となっています。
サービス接遇検定の難易度
秘書検定 | 受験者数 | 合格率 |
1級 | 660名 | 33.5% |
準1級 | 2,585名 | 83.1% |
2級 | 10,351名 | 66.8% |
3級 | 9,592名 | 61.6% |
(参照:実務技能検定協会HPより http://jitsumu-kentei.jp/SV/totalize/contents)
サービス接遇検定3級や2級の合格率は60%を超えていますので、難易度は低いといえます。しっかりとテキストを読んだり問題を解いたりすれば、合格は難しくありません。
サービス接遇検定準1級は面接試験のみなので合格率が80%以上と非常に高いですが、2級試験を合格しなければ準1級合格とはなりません。(2級試験の前に準1級の面接を合格すると、「ロールプレイング合格」という扱いになります。)
サービス接遇検定の取得をおすすめする人
サービス接遇検定は、百貨店や銀行、鉄道や航空、ホテルなど、お客様を直接接客する人すべてにおすすめです。最近では、病院や運送の企業が受験するケースも増えています。
サービス接遇検定資格の取得におすすめの教材
サービス接遇検定の勉強方法は、独学でもテキストをしっかり勉強すれば合格は難しくありません。以下の参考書がおすすめです。
サービス接遇検定受験ガイド(早稲田教育出版)
審査基準にのっとっているので、勉強しやすいテキストです。筆記試験対策として、まずはこちらのテキストを勉強しましょう。
サービス接遇検定 実問題集(早稲田教育出版)
受験ガイドと同じく早稲田教育出版の実問題集です。受験ガイドで一通り筆記試験の知識を頭に入れた後、実問題集をたくさん解いて覚えこんでいきましょう。
DVD>サービス接遇検定準1級/1級面接合格マニュアル
サービス接遇検定準1級と1級の面接は、お客様と従業員という設定でのロールプレイング形式です。話し方や振る舞いなど、DVDを見てしっかり研究するようにしましょう。実際に自分がロールプレイングしている様子を動画で撮影し、客観的に見直すのもおすすめです。
接遇やマナーの検定・資格取得を考えている方へ
サービス接遇検定は、今回ご紹介したように毎日の仕事に大きなメリットを与えてくれます。スキルアップを目指している人は、サービス接遇検定を通してより接客技術が上がることでしょう。
また、新人教育担当の人は、接客研修を取り入れても「人によって接客レベルにばらつきがある」と悩むこともあると思います。サービス接遇検定は団体受験もできますので、一定の接客レベルを保つために企業での受験もおすすめです。