「面接のときは、まじめでしっかりした印象だったのに、入社したとたん遅刻はするし、教えたこともすぐ忘れてしまうし、あの面接はいったい何だったのだろう…?」
「今年のいちばん優秀な人材、とおもって配属したメンバーに限って、配属先の上司から来年はもうちょっといい子をお願いしますよって言われてしまうのだが、どうなっているのだろう??」
こんなお悩みを抱える人事採用ご担当者様が、増えています。
面接時の印象と入社後のギャップをできるだけ小さくするために大切な「面接でチェックするべきこと」を解説いたします!
「圧迫面接禁止」の意味は?
学生の就職指導も行う私たちCAキャリアの講師陣。就活本番の悩みに相談に乗ることも頻繁にあります。そのなかで気になっているのが、「圧迫面接をされました」というものです。
最近は企業様も、イメージダウンを気にされて圧迫面接禁止令を出されているケースも増えているのに、珍しいなあと思って詳細を確認してみたところ、
「どうしてそんなふうに考えたの?」
「もう一度挑戦してみようとは思わなかった?」
こんな質問を何回もされました、との回答でした。
正直なところ、文章だけ見れば一般的な面接で「するべき」質問としか思えません。こんな一般的な面接対応ですら、「圧迫」に感じられてしまうほど、最近の面接では表面的なやり取りだけで合否が決まってしまうのか…と衝撃を受けました。
そもそも圧迫面接とは、強圧的な態度や理不尽な質問をあえてすることで、対応力やストレス耐性をみようとする面接の一手法です。
ネットで企業の面接の内容や、その感想が書き込まれ、半永久的に残るようになってから、人事の方は悪評を避けようと、面接官に対して圧迫面接を禁止するようになりました。また、できるだけ良い印象を持ってもらうために、面接官は学生を「おもてなし」するように、というアドバイスも少なくありません。
きちんと確認して評価するというステップが少なくなっている
「一度やると決めたことは最後まであきらめない」
「協調性をもって、チームのメンバーとコミュニケーションをとる」
「向上心をもって、コツコツ努力をし続ける」
こういった、「できる・できないは別として、学生としてこうあるべき姿」については学生もよく知っています。
問題は、自己認識と実際の行動に乖離がある場合です。
「一度やると決めたことは最後まであきらめない(ので、基本的にこれをやる!と決心したことは、これまで一度しかない。しかも中学生の時の話。)」
「協調性をもって、チームのメンバーとコミュニケーションをとる(ことができるように、年が近くて小規模な集まりだけに参加するようにしている)」
「向上心を持って、コツコツ努力し続ける(ことができるのはゲームだけ)」
こういった(かっこ)の部分がないかを確認するのが面接の場であるはずですが、「学生にいい印象をもってもらおう」という意識があるばかりに、「ニコニコ相手の言うことを聞く」だけになってしまっているケースが増えています。
エントリーシートの段階ですら、「エントリーシートで選抜するほど応募者が多くない」「まずは会ってみよう」という企業様が増えたため、自分の用意した自己PRを見直す機会もないまま、面接が進行してしまう学生が大勢います。
圧迫面接と受け取られずに、きちんと面接をする技法を
多くの企業で、面接官は「面接のプロフェッショナル」ではありません。日常業務の合間を縫って、一次面接なら若手社員が、2次面接なら課長クラスが、3次面接なら部長クラスが…といった昔ながらの「決まり」で面接官を割り振っているケースがたくさんあります。
そんな面接官の方は、「自分が受けた面接」を思い出しながら面接を実施するわけですが、残念ながら人事部からは「自由に選考してください!」とは言われません。圧迫面接はしない、聞いてはいけない質問はしない、という「禁止事項」だけを言われて面接に臨むことになります。
これでは、学生の「本心」を引き出すことは難しいでしょう。
面接は応募者が「言葉」にしたことを確認する場です。
「なぜそのようにしようと思ったのか」
「どうして〇〇と考えなかったか」
これらの質問を繰り返し、さまざまな角度から探っていくことが必要です。
これらの質問が難しいのは、「なぜ?」「どうして?」という言葉だけの短いコミュニケーションを重ねるだけでは、先ほどのように「圧迫」と感じてしまう学生がいるという点です。「これくらいで圧迫、と感じてしまう学生には入社してほしくない…」というだけならよいのですが、問題はその学生から発信されるかもしれないマイナス情報です。
CAキャリアでは、面接官トレーニング研修として、「圧迫と受け取られない対応方法」もお伝えしています。入社後のギャップ解消のために、しっかり確認できる面接官を育成しませんか?