貴社の人材育成、社員と目的・目標の共有はできていますか?

「即戦力を採用したいけれど、なかなかこれはという人材に応募してもらえない」
「むしろ、やっと戦力になったな、と思ったころに転職されてしまう」

決して余裕のある社員構成ではないなか、「ひとりのスーパー社員」を待ち続けるのは非現実的ですよね。

「社員全員の力を底上げするために、これからは、人材育成に力を入れよう!」とお考えの中堅・中小企業のみなさま、「人材育成」の「目的」と「目標」の違いはご存知ですか?

人材育成の目的とは、「企業が持続的に成長し続けること」です。そのために重要な要素のひとつが社員の成長、そして経営者の成長になります。

貴社を持続的に成長させるために今必要な要素は「新しい発想」なのか、「業務の効率化」なのか、「クライアントニーズの掘り起こし」なのか、「確実な資金運用」なのか、それらの課題を確認したうえで、「人材育成の目標」を設定することになります。

どんなに素晴らしい目標を設定し、社員がその目標を見事にクリアしたとしても、企業が持続的に成長し続けるために寄与しないのであれば、よい人材育成とは言えません。

そして、大切なことはこの「目的と目標」が人材育成プログラムを提供する経営者や人事側だけでなく、育成プログラムを受ける社員側にも共有されているかが大きなポイントになります。

目標設定の仕方

「どのような人材育成プログラムを組むか?」という具体的な検討を担当するのは、多くの企業の場合総務人事のご担当者、もしくは研修を受けさせる部署の上長、そして社長自らのケースがほとんどです。

この場合、誰が担当しても同じ問題を抱えます。それは「何を‘させるのか’」という考え方になってしまうという点です。

目的は、企業の持続的な成長。そのために「必要な要素」は経営上での課題です。これは経営者や管理者が中心となって設定するべきポイントです。

この次のステップである「課題を解決するための目標」まで、すべて一方的に決定されていることが、成長を阻害する大きな要因になってしまう場合があります。

「この忙しいのに、社長の思い付きでわけのわからないセミナーに‘出席させられた’。しかも、休日をわざわざ潰しているのに何の手当もでない。やる気でないよ…」
「新入社員と一緒のモチベーションセミナーに、30代で出席させられるとは思わなかった。そんな無駄な経費を使うくらいなら、古い業務用携帯を新しいスマホに変えてほしい」
「PCスキル講習、いちばん必要な部長は欠席で、意味ないんじゃないかな?」

こんな愚痴が出てくるようでは、真摯に研修に向き合おうというモチベーションも当然上がりませんし、結果としてそこから何かを身に着けることも難しいと言わざるを得ません。

「若いころ、研修といっていろいろ受けさせられたけど、役に立った記憶がない」というイメージをお持ちの経営者の方は、若いころこのような思いをされたのかもしれませんね。

目標は、それをクリアするべき本人が、自分で納得して設定するものです。なぜその目標設定なのか、という点もわからず、しかも抽象的なゴール設定に向かって努力させることができる「魔法の研修」はありません。

「何を‘させるのか’」から脱却し、「この課題を解決するために、あなたがクリアするべき目標をどこに置き、どのように習得するか話し合う」ことからスタートしてはいかがでしょうか。これは、中小企業だからこそできることです。

非日常な空間で

研修を受ける側も、受けさせたい側も、今までこのような「目標設定」のアプローチをしたことがない場合、いきなり「成長のために必要な目標設定をどうしますか?」と問いかけても、びっくりさせる程度です。よいアイデアが生まれてくることも、高いモチベーションを生むことも難しいでしょう。

  • 真剣さや本気度を伝える
  • 本人の意識を向上させる

ことを準備段階で工夫しましょう。

例えば、「非日常的な空間を用意する」という工夫ができます。

  • 会社の会議室やデスクといった日常から離れ、貸会議室やホテルの一室、宿泊が可能な研修施設を開催場所に選定する
  • スーツや制服ではなく、上下関係も関係なく私服で話をする
  • 外部のファシリテーターを依頼する
  • まずは経営者から目標設定をし、それを部下に批評させる

「今回はいつもと違うな!」という第一印象から取り組んでみましょう。

社員ひとり一人、目標設定が違っていてもいい

研修というと、「社員全員で取り組まなければならないもの」だと思い込んでいませんか?

もちろん、全員が不足しているスキルや、一体感を持って取り組みたいコンテンツはあります。しかし、「課題を解決するための目標」が、社員全員同じ、というケースの方が少ないのではないでしょうか。

ある人は電話応対の仕方に問題が、ある人は書類作成や企画書の作り方に問題が、ある人はヒアリング時のコミュニケーションに問題があるのかもしれません。

「全員で一つの研修を」とはじめから決めつけず、自ら「足りないものを探す」という方向も含めて検討しましょう。

自分で納得し、意志と覚悟をもって作成した目標をクリアするために必要なサポートを用意するのは会社組織の仕事です。そのお手伝いは、ぜひCAキャリアにご相談ください!

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