研修の種類と形式 OJTとOff-JTの違いとそれぞれのメリット・デメリット

良い人材を獲得するために、「充実した研修制度を用意し、社員の能力開発をサポートします!」ということをPRしている企業様は少なくありません。

その一方で、「研修制度が充実しているから」という理由を志望動機にしてはいけない、と考えている学生も増えています。「研修制度が充実しているので」という志望理由の学生は、面接官から「受け身である」と思われるので、志望動機には挙げない方がよい、とキャリアセンターや就職支援サイトで解説しているからです。

とはいえ、学生にとって「成長実感を得ることができそう」というイメージを持ってもらうことは、入社前にも入社後にも必要なことです。新入社員に一日でも早く戦力になってもらうためのサポートは効率よく取り入れたいもの。そんな「人材育成」について、基礎的なポイントを解説します。

2つの研修スタイルOJT・Off-JTとは

まずは、「企業での人材育成」手法の基礎知識をご紹介します。

人材育成の種類

社員の仕事に関する知識習得や能力開発をおこなう人材育成は、大きく3つの種類に分けることができます。

  • OJT(オン・ザ・ジョブトレーニング)
  • Off-JT(オフ・ザ・ジョブトレーニング)
  • 自己啓発支援

自己啓発は、社員それぞれが自主的に取り組む知識や資格取得、能力開発に対して、講習費の補助や学習時間の融通、資格取得後に資格給で報いるなどの支援をするものです。

「人材育成」とは?中堅・中小企業のための「人材育成」の基本と基礎知識

2018.11.24
今回のテーマでは、直接会社側が人材育成のコンテンツを提供する上記2つの内容について詳しく解説します。

Off-JTとは

「off-the-job training=ジョブ・トレーニングから離れた」とは、業務の実践ではない場面で行なうトレーニングを意味します。

【Off-JTの例】

  • 外部の研修会社へ出向き、社会人としての心構えについての講義を受講する
  • メーカー講習に参加して技能検定を受ける
  • 外部講師を招聘し、マナー研修を受ける
  • 本社・支社が一堂に会し、業務上の成果を発表させる

社員が取り組む日常業務から離れたところで行なう研修は、参加型・聴講型・フィールドワーク型などのスタイルや、外部の研修施設か社内かといった場所に関わらずすべてOff-JTになります。

OJTとは

「on-the-job training=ジョブ・トレーニングをしながら」とは、通常業務上で実践するトレーニングを意味します。

【OJTの例】

  • 職場のシステムの使い方を教える
  • 先輩社員に同行して営業の現場を見せる
  • 日報や報告書の添削をする
  • 実際に営業電話を掛けさせて、フィードバックする
  • 新人社員の営業に同行してフォローする

業務をしながら&業務の現場で提供される人材育成がOJTになります。

OJTというと、「職場の先輩や上司が」指導するのがOJTだと考えられている方も多いのですが、仮に外部講師を導入したとしても、業務を実践しながら指導を受ける形であれば、それはOJTとなります。

OJTのメリット・デメリット

メリット

  • 日常業務を進めながら取り組ませることができる
  • 見える経費が発生しにくい
  • 指導する先輩社員や上司にとっても部下の指導育成能力向上の機会になる
  • 必要なときに、随時実施できる

デメリット

  • 期限の設定や成果の確認がおろそかになりがち
  • 指導者によって提供できる内容が違う
  • 指導者の業務負担が増える
  • 入社年次によって、指導する側と指導される側の人数バランスがいびつになることがある

OJTの最大の特徴は、「仕事上での実践・反復」にあります。

トレーニングに必要な期間は、仕事内容や個人の資質によって異なり、個々に対応できるという意味ではメリットですが、ゴールが決まらないというデメリットにもなり得ます。

OFF-JTのメリット・デメリット

メリット

  • 通常業務から離れたところで研修をすることで、緊張感を与えられる
  • 比較的一度に大人数を対象とした研修が可能
  • 講師の質の均質化が図りやすい
  • 外部に委託が可能

デメリット

  • 研修費用がかかる
  • 業務外の時間を取られる。
  • 研修の成果を仕事上で計測することが難しい

OFF-JTでもロールプレイングなどの「アウトプット」や、ワークに取り組むこともありますが、基本的には効率よく、体系的に知識をインプットするのに向いている手法です。

まとめ:人材育成のポイント

OFF-JTとOJTは、「どちらがよい」というものではありません。OFF-JTとOJT、双方のメリット・デメリットのバランスをとりながら、取り入れていくことが大切です。また、最大の注意点は、いちど導入したまま、効果や結果を検証しないまま安易に昔ながらの手法を引き継ぎやすいということです。

マナー一つとっても、20年前から教材が変わっていない…というコンテンツを使用し続けている講習会社もあります。(先日も、某企業様で導入されているマナー講習の資料を拝見しましたが、女性のメイクについて「眉を細くしすぎてはダメ」と書かれていました。ずいぶん昔の流行ですね。)

先輩が後輩に指導する、という場合も、「自分が新入社員のときはこう教わった」という内容では不十分ということもあり得ます。

  • 何のために研修をするのか
  • 研修のゴールは何か
  • 研修の成果物のために、何をどこまで犠牲にするのか
  • アウトプットとインプットのバランスはちょうどよいか

これらの項目については定期的に確認することが大切です。

CAキャリアでは、会社の提供する、を通じて、社員がより自己研鑽に励むモチベーションをもち、OJTという現場での実践をサポートするためのOFF-JT(研修)機会のご提供といったサポートをさせていただきます。接遇・マナーについては、OJT形式で現場に入らせていただき、指導役としても人材育成にご協力をさせていただいております。