いまの現場に研修は必要?研修が必要なケースからチェックポイントを確認しよう

「従業員のスキルやモチベーションアップをはかれる施策はないのかね?時間やお金を使うのだから、もちろん、きっちり効果が出るものでないとだめだよ!」

経営者や上司から突然こんなオーダーをされてお困りではありませんか?

研修と言っても、具体的にどんな内容を実施するのか、かける費用や時間はどれくらいを見込むのか、単年実施するのか継続するのか、社外に依頼するのか内部でまかなうのか…そういった検討項目以前に、まず確認しなければならないことがあります。

それが、「そもそも、いまの現場に「研修」は必要なのか?」という点です。

今回は、「現場に研修を導入する必要性を計るためのチェックポイント」をご紹介します。

社員研修の種類

「研修」を考えるときに必要な知識として、研修で提供できるコンテンツの種類を把握するところから確認していきましょう。研修コンテンツは、おおまかに3種類にわけることができます。

階層別研修

階層別研修は、経営者研修、中間管理職研修、若手リーダー研修、新入社員研修など、組織の階層それぞれで必要な知識を習得するためにプログラムされたコンテンツです。

年齢や役職に応じて求められる資質や実務の知識を提供します。

階層別研修が必要なケースは?

個々の社員の職務遂行ではなく、会社運営全体に必要な「役割遂行」に必要な能力について、「自覚を促す」ことが必要な局面で導入を検討しましょう。

【階層別研修が必要なケースの具体例】

  • 創業期、拡大期の設立から間もない組織のため、社内で長く経験を積んだ管理職層もおらず、社員のなかから急遽抜擢することになった。
  • これまで社員育成にはオーナー社長自らが当たっていたが、会社組織が大きくなるにつれて直接指導が難しくなってきた。
  • 若手社員の間は、部署や職種が異なる社員同士の連携がほとんどなく、お互いの仕事についての知識も少ないのだが、管理職級では横断的に仕事をしたり、経営的な仕事に関わってくることが急激に増える。
  • 階層の少ない、フラットな構成で会社運営を行なってきたが、事業部ごとに独立採算をとり、各事業部で責任者を置く体制に移行しようと計画中。

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職種別研修

職種別研修は、営業研修、SE・プログラマー研修、事務・アシスタント研修、技術職研修など、職種によって必要な知識や技能を習得するためにプログラムされた研修です。

例えば営業職研修であれば、プレゼンテーションや交渉力、顧客満足などが研修内容に含まれます。

職種別研修が必要なケースは?

職種によっては必要な知識やスキルは異なりますが、定期的に新しい情報や仕組みを取り入れるきっかけや仕組みが整っていない場合、一社員の問題でなく、組織全体として必要なレベルに達していないスキルがある場合に導入を検討しましょう。

【職種別研修が必要なケースの具体例】

  • ここ数年、お客様からのクレーム研修が増えている。しかも、きちんとお客様とのコミュニケーションがとれていれば防げたはずのミスが多い。
  • お取引先が大きくなってきたのはよいが、コンペ形式で提案する機会が増えた。プレゼンテーションスキルや、コンテンツ作成には自信がない社員が多いため、体系的にノウハウをしりたい。
  • いままで外部に委託していたIT関連業務の部署を新設し、社内SEを採用した。定期的に新しい情報収集の機会を設けたい。
  • 経理、総務など間接部門の業務量が増えてきているとともに、残業時間も増えている。業務の効率化や時間管理スキルを身につけさせたい。

テーマ別研修

テーマ別研修は、階層や職種などに関係なく設定された研修です。たとえば、ビジネススキルである語学研修、ロジカルシンキング研修、IT研修、またはリーダーシップ研修、モチベーションコントロール研修などがあります。

テーマ別研修が必要なケースは?

全社で取り組むべき、現状不足しているスキルや知識、仕事への態度を補う目的で導入を検討しましょう。

【テーマ別研修が必要なケースの具体例】

  • 社員全員のPCスキルが低い。書類や企画書の作成時間短縮のために役立つPCスキルを身につけさせたい。
  • 英語力向上は自己啓発に任せてきたが、社員満足度の向上のためにも定期的に会社が費用負担して取り組みたい。
  • これまで個々の営業の資質で業務にあたり、チームで取り組むといった姿勢を評価してこなかった。顧客満足度向上のために、チーム単位で営業に当たらせる仕組みを導入する前に、今までとの違いを学ばせたい。

費用対効果を定期的に確認しましょう

「多くの会社が実施しているから、ウチでも新入社員研修だけは実施しています」という企業さまも少なくありません。しかし、「研修が充実しています!」という採用のキャッチコピーにしか利用できていないのでは、投資に見合うとは言えないでしょう。

研修を受講したことで、社員ひとり一人が業務の効率化に取り組んだり、モチベーションが向上して結果に結びついたかきちんと効果計測し、研修の内容を進化させていくことが大切です。