新入社員と中途採用者は一緒に研修を受けさせていい?そのメリットとデメリットとは

新規学卒者の新入社員と、中途採用のどちらか片方は基本的に採用しない、という企業様は別として、多くの企業では必要に応じて、両方の間口から採用を継続されています。

マナー研修を中心にご相談いただく私たちCAキャリアが、クライアントに「そういえば…」とご相談されることのひとつに「新入社員の入社日と同時に、25歳で同業他社から転職してくる中途採用の方がいるんですが、一緒に研修を受けさせてあげたほうがいいんでしょうかね…?」というものがあります。

中途採用者と、新規学卒採用者を同等に扱うことには、確かにメリットもデメリットもあり、迷うところです。

今回は、そんなお悩みをお持ちの人事採用ご担当者さま向けに、中途採用者と新規学卒採用者の研修を受けさせる基準について考える際のポイントをご紹介します!

中途採用者にも、新卒採用者と同レベルの研修は必要なの?

問題は、「社会人としての基礎的なマナーや態度が身についている(はずの)中途採用者。即戦力として採用したのに、さらに時間とお金をかけて新入社員と同じ研修をするなんて、転職者本人にとっても、違和感がありませんか?」というものです。

新人研修の研修コンテンツを分類しよう

まずは、新人研修でよく扱われるコンテンツを確認しましょう。(ここでは、配属前のOffJTについて取り上げることとします。)

大きく分けて、「その会社の実務に直結する内容」と、「一般的な社会人として求められる内容」の2種類があります。

【その会社の実務に直結する内容】

  • 事業概要の理解
  • 業務上の基礎知識
  • 職場内見学
  • 社内文書の取り扱い
  • 電話・社内システムの取り扱い

【一般的な社会人として求められる内容】

  • コンプライアンス
  • 社会人としての心構え
  • ビジネスマナーの習得
  • OAスキル・ビジネス文書スキル
  • リスクマネージメント
  • メンタルヘルス
  • コミュニケーションスキル

これらのコンテンツのうち、「中途採用者にも同レベルの研修」をするべきは、もちろんその会社の実務に直結する内容です。

また、一般的な社会人として求められる内容であってもOAスキル・ビジネス文書スキルやリスクマネージメントに関しての知識は、それまでの実務によって習得しているかどうか、大きな差があります。事前にヒアリングしてチェックが必要です。

「即戦力」を期待するあまり、配属初日からOJTで…という場合でも、その会社の実務に直結する内容に関しては、教える社員によって個人差が出ないように研修担当がきちんとコントロールすることをおすすめします。

新入社員と一緒に研修をする場合のメリット

1.横のつながりができる

新入社員研修のプログラム期間は企業によってさまざまですが、比較的長い期間を研修だけにあてる企業の場合、2~3ヶ月に及ぶこともあります。比較的短めの企業でも、2週間程度は研修のみに時間を費やすケースが珍しくありません。

この、「長い時間、一緒の課題に向き合って過ごした仲間意識」が醸成できるのが、新入社員研修の最大の「副産物」と言ってもいいでしょう。全国に支社・支店があるような企業様であれば、配属後は顔を合わせることも少なくなるため、新入社員研修の期間で全国に「仲間」を作らせることは後々役に立ちます。

第2新卒や若年離職者など、この「仲間」のなかに違和感なく入れる中途採用者はもちろん、年齢が離れていても「頼りになる社会人の先輩」として交流を深めることができる機会になります。

2.今までの「常識」が異なるかもしれないことに気が付く

「転職先で内心びっくりしたけど、大きな声では言えなかったこと」について、ヒアリングをしたことはありますか?同業他社への転職の場合、業界知識や仕事の進め方は知っている前提で話が進んでいきますが、案外「前の会社と全然違う!」ということがあるものです。とくにOAスキルなどは会社によって大きく差がついていることも。早いうちに、そのギャップに気が付く機会を設けることができます。

新入社員と一緒に研修をする場合のデメリット

1. 不要だった時間とコストがかかる

研修によっては、「ひとり〇円」とコストが発生します。また、即戦力を期待して採用したにもかかわらず、成果をうまない期間が生じてしまいます。

2.進行管理上、不都合が生じることになる

新入社員とまったく同じ内容の研修をする場合、たとえば名刺交換の仕方や挨拶、社会人としての心構えなど、中途採用者と新卒採用者を同時に教えることで進行上「やりにくさ」が発生することがあります。

仕事満足度を上げるかどうかを基準にしよう

新人研修のコンテンツは多岐にわたります。「All or Nothing」ではなく、部分的に導入する「折衷案」も検討に値するでしょう。

知識を身に着ける以外にも会社や仕事に対する「満足度」を向上させるのが研修を実施する役割のひとつです。

中途採用の場合、年齢や入職後の役職、仕事内容が専門的かどうかなど、判断に影響するポイントが異なりますが、最終的な判断としてはその研修が中途採用者の「仕事満足度の向上」につながるかという点を重視することをお勧めしています。

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